お客様の住み家訪問記 CUSTOMER'S VOICE REPORT Vol.1「きれいに暮らしたい」松本市O様邸

 つつじの花がやわらかく風にゆれ、樹齢130年の檜がまっすぐにそびえ立ち、流れる川からは水音が聞こえてくる。そんなお庭を持つO様邸は、木々の緑の中で白壁の映える、とても上品なお家でした。

「外観がごてごてしていない、単純で、あっさりした家がいいとお願いしたんです」(ご主人)
 その思いを基に山岸建築デザイン事務所が設計を担当したO様邸は、松本土建が施工を請け負い平成20年に竣工を迎えました。
「シンプルに、きれいに暮らしたい」(奥様)そんな願いが形となって生まれたO様邸は、景観に調和した外観を兼ね備えたことも評価され、松本市の平成20年度最優秀景観賞を受賞することとなったのです。


  O様邸の特徴である、大きく張り出した曲がり屋と前庭は、来訪を歓迎するかのような開放感を演出し、訪ねて来た人々を迎え入れてくれます。入り口から広く舗装されたアプローチには、上品な印象を与える明るい色のカラーが使われており、景観を損なうことなく調和しています。
 また、玄関脇には現代的なデザインで生まれ変わった井戸が残されるなど、伝統的な古い農家を思わせる外観を持ちつつも、細部まで気を配ってデザインされたモダンな建物としての魅力を大いに備えています。そして、畑や庭木の緑多い中に佇むO様邸は、派手さを控えた切り妻の屋根の風合いと相まって落ち着きのある趣を見せているのですが、それは柔和な笑顔で快く迎え入れてくれた夫妻の、優しい人柄をうかがわせてくれるもののようでもありました。

img2「最初に、とにかく収納をたくさん、とお願いしました」(奥様)
 お話をお聞きすると、ご夫妻の一番の願いは収納にあったということがわかります。「私はどちらかというと、お掃除は好きで、物があちこちに出ていないシンプルできれいな生活がしたかったんです」(奥様)
 その言葉の通り、余分な物が外に出ていないすっきりとした敷地内は隅々まで掃除が行き届いています。

 特に目を引く曲がり屋の中を見せていただくと、きれいに整頓された棚と漬け物の桶や瓶があり、物置としての収納力は抜群のようです。
「建てているときは、子供を集めて寺子屋でもやるのかっていう人もいたんです。それから三つ口があるから酒屋でもやるのかって想像した人もいたみたいで」奥様が笑いながらおっしゃると「あんなに立派な物置になるとは思わなかったね」と旦那様も笑いながら目を細めて相づちを打ちます。
 こうして整然と整理された収納の中には、もしかしたらたくさんの思い出も一緒に、すっきり風通しよく整理されて保管されているのかもしれません。収納についてお話しくださるお二人の笑顔も、すっきりと晴れやかに見えてくるからです。

img3 ご主人が特にお気に入りであるというリビングからは、広いお庭が一望できます。春と秋と庭師が二度入り、隅々まで手の行き届いたお庭。ご主人も満足そうに庭を見遣ります。ソファーに腰掛けて自慢の庭を眺める、ゆったりとした時間をこの家が演出してくれているのです。

 奥様のお気に入りはやはりキッチン。「部屋に人がいても、そこからお勝手って言う感じに見えないでしょう?」(奥様)モダンな和のリビングからは、洋風なアレンジの施されたキッチンが見えますが、すっきりとまとまっているので雑然とした感じは一切なく、すっきりとして落ち着いて見えます。
「思い切って買った」(奥様)というル・クルーゼの鍋がいくつか置かれ、それ以外は「出しておくことが嫌いだから、全部しまえるように」という奥様の希望で大きな収納が作られたそうです。
 施工担当者だった松本土建の高木さんにご苦労はなかったのかをお聞きすれば「収納のほうは設計の方とO様が直接お話ししてましたので、こちらはまったく知らないですよ」とこの家では冗談も弾みます。O様邸ではこのように、リラックスした空間で自然と会話が弾むようです。

img4 施工主として見て、この家の作りのすごいところはどこかとうかがってみますと「この家は金物を使ってないんです。つなぎも木で埋めて釘を極力使わずにやっているんです」(高木さん)という答えが返ってきました。「大工さんと設計士さんが話をして、そういうことになったんです。雰囲気が合わないので。見えるところには極力金物を使ってないんです」(高木さん)
 その言葉に、訪れたとき玄関ホールにいっぱいだった木の香りのことが思い出されました。O様邸は、ぬくもりのある木組みにこだわり、丹精に組み上げられていたのです。
「こっちとしては設計士さんと高木さんにめんどうなことはすべてお任せしたんです」(ご主人)「本当にもうすべて信頼してお任せしてたんです」(奥様)そうおっしゃるご夫妻の満足げな表情は、この新しいO様邸での生活の充実を表しているかようです。


 とにかくシンプルに、そしてきれいに生活したい。それがO様ご夫婦の心からの望みでした。そのための大きな収納が設けられ、庭や井戸などの伝統を受け継ぎながらも、洗練された形で家が提案され、形となっています。
「物が出ないように、すっきり暮らしたい」(ご主人)「とにかくシンプルにやってということを」(奥様)お二人の人柄と居心地のいい空間によって、時間はあっという間に過ぎていきます。

 落ち着きがあり、丁寧で品のある家。建物としての魅力も多いO様邸ですが、最も大きな魅力は、この家が、ご夫妻がイメージしていた人生を実現するための、気配りに溢れていることのように感じられます。
 同時に、施工主である松本土建の高木さんによる詳しい説明を聞きながら、O様邸はこれから先の長い年月、適切なアフターメンテナンスを受けながら、快適な生活空間を維持しつつ、ご家族の未来を見守っていくのだという予感を抱かせてくれるのです。
 シンプルに、そしてきれいに暮らす。O様ご夫妻の願いはこの家で、日々やさしく積み重ねられていくことでしょう。

vol.1終わり


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